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Asana企業ユーザーに学ぶ!導入の壁や選定のポイントは?――「Asana企業ユーザー交流会」レポート

 2023.09.14  ワークマネジメント オンライン編集部

2023年7月13日に開催したイベント「Asana企業ユーザー交流会」では、Asanaを導入しているフジテック株式会社と水ing株式会社が登壇。本記事では、導入の経緯や社内浸透に向けて工夫・苦労した点、導入効果を中心にレポートします。

フジテック株式会社:年間3,200時間もの会議時間削減に成功!その秘訣とは

フジテックはエレベーターやエスカレーターなど移動機器の専業メーカーです。創業75周年を迎え、23の国と地域に展開しています。同社でDI(デジタルイノベーション)本部 プロセス管理部長を務める山本健治さんが、今回、Asana導入の舵取りをしました。

DI(デジタルイノベーション)本部 プロセス管理部長 山本健治 氏フジテック株式会社
DI(デジタルイノベーション)本部 プロセス管理部長
山本健治 氏

コミュニケーションツールとしてAsana導入

――Asanaをどのような理由で導入されたのでしょうか。

山本さん:Asanaを導入した理由は、コミュニケーション活動を活性化できるツールだと感じたからです。

これまで業務をカンや記憶に頼らずにデータやデジタルで管理することで、抜け漏れなく期限どおりにできるようにしてきました。しかし、「タスクの期限は明日だと頭で分かっていても、間に合わせられない」ことも、常態化しています。この状況を変えるためにはロジカルな問題解決や行動変革ではなく、仲間とのつながりやコミュニケーションでしか変えられないことを実感していました。

私自身にこのような背景があった中、社内でマネジメントツールを用いた業務革新を起こそうという機会があり、デジタル活用とコミュニケーションの活性化のバランスが良かったAsanaを選びました。タスク管理ツールでは似た製品もあるかもしれませんが、ノウハウの公開や仲間のつながりといったコミュニティ活動が活発だったことが決め手です。そのため、マネジメントツールというより、コミュニケーションツールとして魅力を感じ、Asanaを導入しました。

一度はAsana導入に失敗。その理由とは?

――最初のAsana導入はどのように進みましたか?

山本さん:実は、最初にAsanaを導入したところ、数カ月経ったころにはメンバーがだんだんとAsanaを使わなくなり、プロジェクト進捗を会議や口頭で確認するという悪循環に陥っていました。定着しなかった理由として挙げられるのは、「中途半端に一部のプロジェクトだけに利用してしまったこと」「会議に依存したコミュニケーションが慣習化していたこと」などです。

――その後、Asanaを再導入されていますが、前回と比べてどのようにアプローチを変えられたのでしょうか。

山本さん:こうした失敗を踏まえて2021年秋に再導入に踏み切り、3カ月間で定着させようと期限を設け、以下のポイントを工夫しました。

まず、社内すべてのプロジェクトをAsanaで管理しました。当社はGoogleワークスペースを採用しておりGoogleスプレッドシートで計画管理するなど、ツールの使い分けをしていたので、それがうまくいかない原因だったと思っています。

次にAsana+Slackで非同期コミュニケーションを活発化させました。これまでは会議で進捗を確認したり、その報告書を作成するのに手間を取られたりといった非効率化がありました。そこで会議の質を変えて時間を減らすために、AsanaとSlackを使って非同期コミュニケーションを実現しました。

AsanaとSlackを使って非同期コミュニケーションを実現

再導入後、3カ月で取り組んだこと

――再チャレンジはどのように進めましたか?

山本さん:Asana Businessプランを購入し、3カ月間で定着させるために以下のことに取り組みました。

徹底したテンプレート化

最初の1カ月でシステム開発に必要なマイルストーンをあらかじめ登録したテンプレートを用意し、研修を経て全プロジェクトに反映させました。カスタムフィールドも定型化して必要な情報が分かりやすくなりました。

システム開発に必要なマイルストーンをあらかじめ登録したテンプレートを用意

Asanaによる進捗確認

次の1カ月は移行期間とし、Asanaでの進捗確認をスタートしました。ポートフォリオに全プロジェクトを掲載して、ステータスで進捗共有・確認を行いました。また、プロジェクトオーナーが週末にステータスのアップデートを行い、週の始めの「デリバリー会議」でステータスが黄色や赤色のプロジェクトに対して、問題やリスクの解決策を議論・決定する運用となっています。

Asana企業ユーザーに学ぶ!導入の壁や選定のポイントは?――「Asana企業ユーザー交流会」レポート 03また、ポートフォリオはエクスポートできるのでAsanaを普段使ってない人にも共有可能です。フジテックでは、「デリバリー会議」直後には、エクスポートしたスプレッドシートをレポートとして出力しています。ポートフォリオのダッシュボード機能は「期限超過タスク」としてリスクを見える化できるので、セルフマネジメントにも役立つ機能です。

横展開

Asanaのサポートサイトを用意してマニュアルや申し込みフォーム、グループチャットを設けました。グループチャットでは質問を受け付けています。体験会やユーザー活用事例紹介などのウェビナーを開催して、利用機会や情報共有の機会を増やすようにしています。

また新たな取り組みとして、ChatGPTとSlack、Asanaを連携させています。SlackからChatGPTが利用できるサービスを利用して、ChatGPTにAsanaのタスクを作成させたり、ChatGPTに明日期限のタスクを教えてもらうことが可能です。

新たな取組:ChatGPTとSlack、Asanaを連携

会議を年間3,200時間削減できた理由

――会議時間の大幅な削減に成功したポイントは何だったのでしょうか?

山本さん:まず、「年間3,200時間」という数字はGoogleカレンダーの集計機能で算出しました。どんぶり勘定ではなく、実際に会議に参加した時間を割り出しています。

実は、Asanaで業務効率化できたからといって会議時間を短縮できたわけではありません。トップダウンで会議時間を短縮させることを前提に、「どうしたら会議を短くできるか?」を主体的に考えて実行してもらったことで成功しました。例えばプロジェクトの進捗確認については「デリバリー会議」で完結させて、それ以外の問題解決や社会貢献といった付加価値の高いディスカッションに会議を使うようにしています。

<会議の見直しで定めたルール>

  • 会議時間を短縮する
    例)60分→40~45分
  • 会議時刻を9-10時、13-15時に集約する
    例)13-16時に60分を3本→13-15時に40分3本
  • 月〜木曜の10-12時&15-17時および金曜は創作時間に充てる

Asana導入の稟議段階では2,200時間の削減をプランしていましたが、いざフタを開けてみると3,200時間まで削減できました。

Asana導入は「フォロワーと一緒に」

――最後に、Asanaを全社展開しようと奮闘している方へのメッセージがあればお願いします。

山本さん:会議に依存したコミュニケーションのような「『共通の敵』を見つける」、そしてマイルストーンなどをテンプレ化したように「『理想の型』を用意する」これらに取り組むことが大切です。

加えて伝えたいのは、「『フォロワー』と一緒に」。Asanaを利用した理由はコミュニティ活動がしっかりして、ファンが多くいたからです。Asanaのコミュニティでディスカッションの場があることで学びになりますし、仕事は違っても、マネジメントの苦労を解決したいと願う同志と交流することで、得られるものは大きいでしょう。

水ing株式会社:1,500名がAsanaを利用!Asana×Teamsで仕事効率化を実現

水ingは暮らしに欠かせない水にまつわる様々な事業領域を展開している総合水事業会社です。水ingグループ全体のデジタル戦略推進を担っている同社のデジタルイノベーション統括部長の根本健一郎さんにAsana導入経緯や選定理由、現在の利用状況について伺いました。

デジタルイノベーション統括部 統括部長 根本健一郎 氏
水ing株式会社
デジタルイノベーション統括部 統括部長
根本健一郎 氏

80名からスタートし、1,500名が利用へ

根本さん:2019年に80名でAsana利用開始し、段階的に利用者数を拡大してきました。現在は1,500名が弊社の業務用標準アプリとして運用中です。

導入当初は80名という小規模でスタートしましたが、「社内利用者を増やさないと、活用の幅が広がらない」という声が導入後すぐに社内から上がってきました。その頃弊社はMicrosoft 365導入プロジェクトを進めており、全社員がTeamsを使える環境を整えた後に、2020年にはAsana利用者は250名へ拡大。その後も、EPC事業遂行部門へ更に利用拡大しています。段階的に利用拡大してきましたが、Asanaを活用した部門間連携を期待し、2021年には利用者数が1,500名に到達しました。

Asana×Teamsによる仕事効率化が、選定のポイント

AsanaとTeamsを連携させ、仕事を効率化
-Asana導入を決めた理由を教えてください。

根本さん:AsanaとTeamsを連携させ、仕事の効率が向上すると考えたためです。
先ほどお伝えしたように、水ingでは全社員がチャットツールとしてTeamsの利用が可能です。

Teamsは活発に活用されていますが、活発になるほどTeams上の会話から生まれたタスクがタイムラインに埋もれて見落としたり、どこでやりとりしたか後で分からなくなってしまって情報探しに時間を要するといったことが課題でした。そこでAsanaです。Teams上での活発な議論の中で生まれたタスクはAsanaに登録する。Asanaにタスク化したら、その内容についてはAsana上で完了までやりとりをする。TeamsとAsanaを両方活用することで、チームの遂行力は向上すると考えています。

導入後もAsanaの活用方法を学び続ける理由

-導入から4年経過した今、困っていることはありますか?

根本さん:1,500名に利用拡大したものの、昨年10月頃に利用状況を調べたところ、活用が進んでいる部門・ユーザーがある反面、実は4割強のユーザーがAsanaを日常的に活用できていないことがわかりました。この数値を放置はしていませんが、社内からは投資対効果を気にする声が聞こえ始めました。近年、セキュリティ対策費などが増加傾向にあり、契約している他SaaSライセンス料の値上げも激しいため、当然のことです。だからと言って、すぐにAsanaを利用停止してしまうと、せっかく培ってきた業務の見える化や業務プロセスを見直す意識まで止まりかねません。

では、どうすればいいのか?Asanaの活用率を上げるには、色々な策がありますが、突き詰めるとまずはAsanaをより理解する、学び続けることが重要だと考えています。Asanaコミュニティでの情報共有やAsanaが開催しているセミナーに参加するのも1つの手段ですし、本イベントのように他企業の事例を聞くことも新たな学びに繋がります。利用開始して4年経っていますが、Asanaもユーザーも成長しており、常に新たな発見があります。

同志の集う場として企業ユーザー交流会を活用

――最後に、本交流会への参加理由やおすすめポイントを教えてください。

根本さん:同志たちと交流して、新しい気付きを得るためです。
特に導入検討中や導入直後は、社内浸透が成功するか不安な方もいると思います。そんな方こそ、企業ユーザー交流会への参加はおすすめです。同じ悩みを抱えている同志たちと交流できるので、一人では思いつかないような活用方法やアイデアが浮かんでくるはずです。更に、事例紹介など自ら発信することで、より自分に情報が集まってきますね。

今回のイベントレポートは以上です。本記事がDX推進を目指す企業の皆様にとってもヒントとなれば幸いです。今後のAsanaコミュニティのイベントにもご期待ください。


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